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2013/06/26

伊坂幸太郎『砂漠』

伊坂作品を読むのは初めて。
ぼく(北村)が大學4年間の身の回りに起こる出来事を、春、夏、秋、冬の4章建てで綴る
大学の同学部同期の
鳥井(男 経済的に恵まれて、きわめて享楽的?無鉄砲?ボーリングで100万200万を賭けたり、事件で片腕を失う
南 (女 きわめて常識的な言動のヒトだが、麻雀が強く、物体移動をさせる超能力もある
東堂(女 きわめつきの美人 表面上きわめて笑わない・・が、きわめて繊細な感受性
西嶋(男 きわめて非常識的な言動のヒト
「きわめて・・」と書いたのは読んだ私の感想印象、きわめて色が鮮明
もちろん、作者の青春心象をデフォルメしたものではあるだろうけど
「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって余裕でできるんですよ」明るく喋る
西嶋くんには惹き込まれてしまいました^^
その西嶋くんが三島由紀夫事件を語る場面がある(秋の章)
「・・覚悟してた、って言う人もいますけどね、
俺は、たぶん最後まで信じてたと思うんですよ。
自分が本気を出して行動すれば、もしかすると、世界は動くんじゃないかとね、期待していたと思うんですよ。」
1970年(昭和45年)11月25日、ラジオの報道で知り、大街道辺りを彷徨った日が思い出されて目頭が熱くなった。
(だれでもいい、声を掛けたかった。話しかけられたかった)あれから43年


一方、ぼく(北村)は特徴的なところがない、無色
ぼく(北村)の恋人になるブティック店員の鳩麦さんは、きわめて明晰な素適な女性だなと思わせれられるが、
これは、ぼく(北村)が描くのだから当然か^^



無色の北村、色の鮮明な男女の五人組・・

読み進めながら、最近話題になった
『色彩を持たない多崎つくると、・・』が浮かんで来たりした

同じ男3人、女2人の五人
色彩を持たない、つまり無色の多崎
(几帳面さは、ぼく(北村)そのものの感じ
他の4人には(姓に)色がある
「アカ」と呼ばれる赤松
「アオ」と呼ばれる青海
「シロ」の白根
「クロ」の黒埜
アカとアオの順を変えたら
青・赤(朱)・白・黒(玄)
春   夏  秋   冬
・・・
しかし、この4人に色を感じないし、多崎の巡礼ってなに?(私の読解力の無さだろうけど^^;



モラトリアム青春小説として『砂漠』にイイネ!^^

「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって余裕でできるんですよ」







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