神遣を「かみわかれ」と読みます。
■神遣神社由来板
遠野三山は、古くから霊場として信仰の対象とされてきましたし、民話や伝説の類もこの三山にまつわるものが多くあります。次の話はその代表的な物語です。
「大昔に女神あり、三人の娘を供ひてこの峠に来たり。
三人の娘の名は姉娘が「おろく」次娘が「おいし」末娘が「おはや」という。
この神社に宿りし夜、今夜よき夢を見たらん娘よき山を与ふべしと母の神の語りて寝たりしに、
夜深く天より麗華降りて姉の姫の胸の上に止りしを、末の娘眼覚めてひそかにこれをとり わが胸の上にのせたりしかば、
ついに最も美しき早池峰を「おはや」が得、
姉たちは、「おろく」が六角牛、「おいし」が石神(石上)とを得たり。
若き三人の女神各三つの山に住し、今もこれを領したまふゆえに遠野の女どもはその妬みを恐れて今もこの山は遊ばずといへり。
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下線の部分は『遠野物語』二話にほぼ一致しているが、宿りし場所が違う。
『遠野物語』では今の
「神遣神社由来」では、神遣神社
〈遣〉を「わかれ」と読むのところに注目すれば、神遣神社で三人の女神が三山に別れたとするのが解り易い。
三人の女神の名前が「神遣神社由来」に記されているが
「おはや」ー早池峰
「おろく」ー六角牛
「おいし」ー石神
三山の名との符合に、民間伝承の味わいのようなものを感じる。
『遠野物語』二
遠野の町は南北の川の
○この一里は小道すなわち坂東道 なり、一里が五丁または六丁なり。
○タッソベもアイヌ語なるべし。岩手郡玉山村にも同じ大字 あり。
○上郷村大字来内、ライナイもアイヌ語にてライは死のことナイは沢なり、水の静かなるよりの名か。
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