「お旅所」での「神幸式」で (‘14.11.3)
”笹”を飾る短冊の色を見ると
「緑」「紅」「黄」「淡青(空色)」「紫」の五色ですが、五行色の「間色(かんしき)」にピッタリと一致しています。
二年前になりますが、祭りの前日の準備などを見学させてもらったとき「(この笹は)「山」を現しているんです。」と教えてもらいました。
( 「一宮神社の秋祭り① 【男河内の鹿】(2日の準備を見学させてもらって)
四季折々の山のイメージなんだな、と感心したものでしたが、五行色との一致を認めると、脈々と流れ伝わる信仰生活のなかの伝統芸能なんだなと感慨が深くなります。
五行色の短冊は、「男河内の鹿踊り」の貴重な特徴点と評価して良いと考えます。
鹿踊りが伊達氏の宇和島入部に伴って移入されたことは間違いないことでしょうが、旧藩版図に50有余伝承保存されている鹿踊りを見るとき(実際を観たのは数所しかありませんが)、その土地土地の自然、精神風土が色濃く影響しているであろうことに留意したいと思います。
それと、妄想的ですが
各地に播かれた鹿踊りの種は、かなりな種類があったように思います。宇和島藩入部に供なった人数は二千人とも、その人たちのなかには各地に配された人々も多数あったことでしょうし、その人たちが遠く離れた故郷、父祖の地を想い、鹿踊りの種を播いたんじゃないかなと思うんです。
講演会で教えてもらったことですが、鹿踊りが文書に初めて記された年と、入部の年の間には可なりな開きがあるそうです。このことは、前述した種蒔きによる自然発生的な鹿踊りが各地に発芽、生長していったことの裏付けの一つと捉えてイイようにも思うんです。
参照
五行とは、中国古来からの思想で儒教を中心とする思想家の間で発展したものです。のちに陰陽思想と結びついて陰陽五行思想となって日本に伝来し、日本では陰陽道として展開していきました。
五行では、木・火・土・金・水の五要素が世界のあらゆるものを構成する基礎となるという考えに基づいた思想です。その五要素には、青・赤・黄・白・黒という色が配当されます。この五色(ごしき)を「正色(せいしき)」といいます。「間色(かんしき)」と呼ばれる色のグループもあり、「緑」「紅」「黄」「縹(はなだ)」「紫(紫は、古来、黒と赤を混ぜた色のことをいった)」と配当されます。
【五行と色】より抜粋 (太字は引用者)
※縹(はなだ)もしくは縹色(花田色、はなだいろ)とは、明度が高い薄青色のこと。
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CF
城川町窪野「八つ鹿」にも短冊飾りがありますが、牝鹿二頭のみ纏い、牡鹿六頭は飾らない。
はっきりと識別したんじゃないですが、五行色以上に、他色が混じっているように見えます。
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