記念講演「東北地方と南予の縁」(講師:愛媛県文化歴史博物館 専門学芸員 大本 敬久 氏)を聴講した。
■鹿踊りは東北の地から伝えられた。
伊達秀宗の入府(1615年)と共に伝えられたという「鹿踊り」だが、論証はされておらず
資料としては、龍光院に残されている文書(1706年)に鹿踊りに関し「57年間使ってきた鹿頭が痛んできた・・」との記述あり・・
(講演は、のっけから核心に入るの感あり)
(単純に、1706-57=1649年と、入府の年との隔たりは、父祖の地を離れて三十有余年、故郷への郷愁が南予の地に様を変えた踊りとして再新生したものとの感慨を持つ)
■伊達入部の総人数は、約2,000人。
(当時の、この人数は、人間の大移動であり、板島には異文化の移入である。)
■政宗より御分人五七騎
その名が、レジュメに紹介されている。山部清兵衛の名は、当然にある。
人名を数えると、56名である。
(政宗からすれば、秀宗を加えた57騎を、板島の地へ送ったと云う思いだったのかも、などと妄想に近い思いが浮かんで来たり・笑)
■愛媛県における鹿踊り分布図 (レジュメを撮影↓)
〈愛媛県における鹿踊り分布図〉 |
宇和島藩の版図に広く分布
伊達宇和島の成立とともに、新たな文化民俗として定着したことを示すものであろう。
(藩境を越えた分布は、文化民俗の伝播の在り様を示すもので、「境・際」こそが異文化交流の現場「中心」であると、思ったりする。考えたいのかも・笑)
八つ鹿 5か所
五つ鹿 58所 (圧倒的に多い。)
六つ鹿 10所 (意外)
七つ鹿 3所 吉田町(立間、法華津)
八つ鹿は、宇和島市裏町、城川町窪野の他に、野村町惣川、藩境を越えた大洲市菅田に在り。
吉田の七つ鹿 (吉田藩として分封されたさい、本家宇和島藩への遠慮で一頭減らしたと云う話を幼いころ聞いた覚えあるのだが・笑)
(窪野八つ鹿の近くに、七つ鹿が一所あり。山深い地点で吉田藩との交流かも)
■文化周辺論
八つ鹿が現在でも「奥の土地」を感じる窪野、惣川に残っているのは、「文化の原型は周辺に残る(文化周辺論)」を示すモノとの指摘があったのだが・・・
(佐田岬に、八つ鹿は残っていない。南郡にもない。)
※方言周圏論
柳田國男『蝸牛考』
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【辺境の八つ鹿】(10/11 tweet)
分布図を添付して、こんなことを呟いた。
宇和島城下、裏町に保存されている「八つ鹿」。
この4月、三滝神社で観た「城川町窪野」の鹿踊りが八つ鹿であった。
藩境を越えた野村町惣川、大洲市菅田にも八つ鹿・・「辺境」に原型が残る・・「辺境に立ってみたい」
③牡鹿の色とりどりの蓑
(蓑の表現が適切か否かは疑問だが)
④太鼓が装い物から表に出ている。
⑤踊り、舞いの印象が、物静か優雅と評される宇和島・裏町の「八つ鹿」とは違った。
素朴であり、怨念のようなものが感じられた。
縦笛で奏でられる楽曲も、同じように感じられた。
以上の五点、私のなかに印象されている「八つ鹿」とは異なっていた。
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ことし4月18日のmixi日記。
[mixi] 八つ鹿・牛鬼・ツバメ ~けっぱれ!共振Always!~:
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前より決めていた予定を変更して城川町へ向かったのは、「八つ鹿」が辺境の地に保存されていることへの驚き。
「六つ鹿」があることは、mixi日記を書く時にネットを繰って知った。
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■東北の「シカ(シシ)踊り」
10日の講演のスライドより。
(残念ながら、所在をメモすること叶わず。)
派手な色の幕が類似している。
派手さは違うが、幕の形は同じ。
装束、太鼓の様子は違うが、太鼓が表に出ている
頭は明らかに違うが、城川町窪野「八つ鹿」の装束、太鼓は東北の様式が色濃い。
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4/17窪野「八つ鹿」が三滝神社に奉納されたときの司会者
①廃れていた踊りが再興されたのは25年前(?)(年数は聞き取り難かった)
②踊りの初めは、100年前(? これも聴き取り難かった)地主の方が父祖の地、仙台を訪ね教えを乞うたもの
100年前だとしたら、仙台より宇和島へ持ち込まれ、そして周辺に伝播した南予の「鹿踊り」とは別系統の流れということになっりそうだが、
当日、以下のように組み立てなおしたものである。
辺境の地、窪野にも周辺と同様な伝播による「鹿踊り」があったが、それが廃れ、その再興のために仙台へ赴いたのが100年前。
そして、こんなことも思った。
文明文化の中心から見れば辺境でも、辺境に立てば、そこが中心である。
辺境であればあるほど中核の文化をどこに求めるか、血のにじむ過酷さのなかで苦心したのじゃないだろうか。
もう一度、書く。
辺境に立ちたい!
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10月10日の講演からは多くの事を学ばせてもらった。
いや、学ばせてもらったと云うのは恥かしいのが正直なところですが、一歩づつ整理をしながら、また教えをもらって、わが内なる「辺境の八つ鹿」と向き合っていきたいと思います。
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